運営:NPO法人AVA健康Labo
〒651-2242 兵庫県神戸市西区井吹台東町1-2-1-10-1304
<AVAとは?>
1.AVAとはなんですか
AVAとは日本語で動静脈吻合(どうじょうみゃくふんごう)と呼ばれる特別な血管の名前です。英語のArteriovenous Anastomosesを省略してAVAといいます。
2.AVAはどんな働きをするのですか
どこにでもある毛細血管は細胞へ酸素や栄養素を運ぶ働きをしていますが、AVAは主に体温調節の役割をはたしています。暑くなるときには、AVAが拡張して体内の熱を体表面へ運び出して環境へ逃がしています。反対に寒いときには、AVAを強く収縮して体表面から熱が逃げるのを防ぐ働きをしています。
3.AVAはどこにあるのですか
ヒトの皮膚では、四肢の末端(手足)と顔面の一部にあります。
図.AVAのある場所
4.AVAが毛細血管と違う特徴にはどんなことがありますか
まず、太さが違います。毛細血管は直径が約10ミクロン(μm)くらいですが、AVAは拡張すると約100μm、毛細血管の10倍の太さになります。拡張したAVAを流れる血流量は、毛細血管の10,000倍と大量で温かい血液の熱をからだの外へ逃がして体温を調節しています。
<暑さと衣服>
1.吸湿性の違う衣服を着用したとき、人が発汗するとどうなるのでしょうか。
人が綿100%(吸湿性8.5%)とポリエステル100%(吸湿性0.4%)の衣服を着用した実験があります。発汗前には衣服表面温度(左)と皮膚血流量(右)それぞれに綿とポリエステルの間に差はなかったが、発汗が始まると綿100%の方が温度は高く血流量も多くなりました。これは吸湿による「収着熱」という熱の影響です。そのため、この実験では汗をかくと吸湿性の高い綿100%の方が暑くて不快と感じます。
図.吸湿による衣服表面温度(左)と前腕皮膚血流量(右)に及ぼす収着熱影響
2.吸湿による「収着熱」とはどのようなものでしょうか
温度・湿度が一定の人工気象室に綿100%(吸湿性8.5%)とポリエステル100%(吸湿性0.4%)の衣服を吊るして、衣服表面温度を計測した実験があります。右図にTシャツの半分の熱画像を示しています。湿度50%に長く置いたときが0分目です。左半分に綿、右半分にポリエステルがあり、両方のシャツの表面温度には差がなく、同じ温度です。
部屋の温度は一定のまま、湿度のみを95%に上昇5分目には綿が2.3℃も上昇し、ポリエステルの0.4℃よりはるかに高くなりました。衣服の中で発汗した場合にも上図で示したように同じような変化が起こるのです。
図.綿とポリエステルシャツを室内湿度50%から95%へ上昇時のサーモ画像
<寒さと衣服>
1.マフラーで襟元のすき間をなくして、熱を逃がさず冷え対策
① 襟元にはすき間をつくらないようにマフラーをしっかり巻く。 ② 被覆されるので頸部の皮膚温が高くなる。 ③ 胸や背中から襟元を抜けて失われていた熱が止まる。 ④ そのため、胸部・背部の皮膚温も上昇する。 ⑤ 感度の高い皮膚部位(頸部・胸部・背部)の温度が高くなった情報が体温調節中枢へ入力される。 ⑥ マフラー着用後、右図の手指の掌側にあるAVAが拡張し血流量が増加。 ⑦ 手や指の皮膚温が上昇し温かくなる。
図.マフラー着用時の指(掌側)と(背側)皮膚血流量の変化
2.衣服の断熱性(熱抵抗)を表すクロー値を上手に活用しよう
1クローとは、気温21.2℃、湿度50%以下、気流10㎝/秒の室内で静かに椅子に座っている人が快適に感じる程度の保温力のことです。寒さが厳しくなるほど、クロー値の高い様々な服種を多く組み合わせて着用しましょう。
<日常着の例>
1.0クロー:スカート、ベスト、ジャケット、シャツ、パンティ、ストッキング
1.5クロー:半袖半ズボン下つなぎ肌着、シャツ、ズボン、ベスト、ジャケット、コート、ソックス、靴
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